どんな病気でも同じですが、ドライマウスを発症したときにも、何らかの治療や対処が必要になります。ただし、ドライマウスに関しては、直接的な原因が明確になっていない場合が多いため、「これをすれば治ります」といった具体的な治療法があるわけではありません。ですから、まずは「対処」をしてみてその経過観察の結果、ある方向性を見出して治療するという形になります。
ドライマウスの主な症状である「唾液の分泌量の減少」により「口内の乾燥」がおこり、これが口内環境を著しく損なうことになりますので、まずは口腔内の乾燥を防止することを考える必要があります。そのために、スプレータイプの「人工だ液」を用いたり、「保湿ジェル」を用いたりするのがポピュラーな対処法になります。
唾液の分泌量が減少することで、口内の洗浄作用や殺菌作用が著しく低下する場合、さまざまな菌や細菌が感染して新たな口内疾患を誘発する可能性が高まります。そのため、ドライマウスの診断が下された患者さんに対しては、感染予防を徹底していただく必要があります。そのために有効なのが、「うがい薬」です。うがい薬は、殺菌作用が強いので、カゼの予防だけではなく、口内感染の予防にも大きな効果が見込めます。
特にご高齢の方がドライマウスを発症するケースでは、「加齢」が主な原因となります。その場合、やはり口筋や舌部周辺の筋力の低下や筋委縮が唾液の分泌能力を低下させていることが多いです。そのため当医院では、そうした筋肉を鍛えることを目的とした啓発を行っています。
口の中とは無関係の病気がドライマウスの原因になっている場合も珍しくありません。たとえば、「シェーングレン症候群」がその主な病気です。シェーングレン症候群は、自己免疫系疾患の難病のひとつであり、涙腺や唾液腺に異常をきたすのが主な症状です。この場合、「唾液分泌促進薬」を投与して唾液の分泌を促します。また、放射線照射によって発症したドライマウスに関しても、これと同じ方法を採用するケースが多いです。また、この治療では、漢方薬が処方される場合もあります。
このように、ドライマウスを発症した場合には、考えられる原因ごとに多角的な対症療法が必要となる場合が多いです。ただ、原因が明確になれば、根本的な治療を行うことも十分可能です。
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